内閣府

景気の現状については、2012年末から景気の緩やかな回復基調が続く中で、2016年後半からは海外経済の回復を背景に、企業部門を起点とした好循環が再加速している。こうした中で、有効求人倍率等でみた労働市場の人手不足はバブル期並みの状況となっているが、これは、景気回復による労働需要の高まりに加え、雇用者数は伸びているものの女性や高齢者など相対的に労働時間の短い労働者の参加が高まっているために、マンアワーでみた労働供給が伸びていないことも反映している。人手不足にもかかわらず賃金の伸びが緩やかなものにとどまっていることは、これまでにない現象であるが、賃金の伸びの低さは、労働生産性の伸びが低いことに加え、労働分配率も長期的に低下傾向にあること等を反映している。 個人消費は、2016年度には熊本地震や生鮮食品価格の上昇など一時的な要因もあってやや低い伸びとなったが、基調としては緩やかに持ち直している。しかしながら、雇用・所得環境の大幅な改善と比べると緩やかな伸びにとどまっている。この背景には、若年層において雇用や収入に対する信頼感が高まらない結果、予想生涯所得を低めに見積もる傾向があることや、中高年層における老後の生活への不安感などがあると考えられ、こうした将来に対する慎重な見方が、晩婚化・非婚化や、モノを所有せずに身軽でいようとするような嗜好の変化と相まって、消費の抑制につながっている可能性がある